近似移動量の検証


1 近似移動量計算機 (試作) TableNo2
板 厚 角 度 伸び量 縮み量
6 90 10.0 -2.0
板厚、角度を入力実行後、変換ボタンを押してください。  
変換ボタンを押さなければ、マクロが実行されません。
この計算機は、90度で曲げ条件を考慮した下記 表 2 の実績値の移動量を算出します。
注意、使用できますが事例なので、製作者が数値に責任を持つものではありません。

2 資料
ホームページの公開データ 曲げ作業の電卓計算をパソコンに切り替えよう
参考、基本 & 図面の解析 移動量 の 材料別移動量表と計算事例の数値                  表 2
板  厚 1 1.2 1.6 2 2.3 2.6 3 3.2 4.5 6
実 績 値 1.7 2 2.7 3.4 4 4.5 5.2 5.5 7.5 10
ダ イ 幅 6 8 10 12 14 16 18 20 25 32
ダイ幅≒板厚*6 パンチは0.2R  実績値は伸び量となります。        小数点第2位を四捨五入しています。

3 計算機の作成
1) 近似移動量計算機 (試作)
板 厚 角 度 伸び量 縮み量
1.6 90 2.7 -0.5
仕様は、上記 1. のとおりです。

2) 計算機の詳細について
板厚と角度のみで、1〜6t、10〜90度までカバーでき、入力作業が煩雑でないことを条件にしました。
このため、90度の板厚の伸び量に応じた3つのケースの数式を使用しています。
曲げ角度は、最小2乗法の3次式を使用しています。
板厚と各角度に対する伸び量の変換は、マクロを使用しています。
参考 近似移動量の計算

3) 板厚別の入力区分
Case I < 2.2
Case I < 4.0
Case I < 6.5
 板厚< 2.2以下 の場合で、Case I < 2.2の数式をかえします。
 2.2< 板厚< 4.0 の場合で、 Case I < 4.0の数式をかえします。
 4.0< 板厚< 6.5 の場合で、Case I < 6.5の数式をかえします。
のように、板厚別で3つに区分しています。
理由は、計算結果にもとずき、実績値に近い3次式を当て嵌めるためです。
なお、ほかに、板厚別に数式を求め、オートフィルタで選択し結果を求める方法などもあります。

4) 板厚別の入力3区分の根拠について
板厚/実績値比から (下記の実績値の加重平均値(?)を参考に板厚別で3区分しました。)            パンチは0.2R
板  厚  1 1.2 1.6 2 2.3 2.6 3 3.2 4.5 6
実 績 値  1.7 2 2.7 3.4 4 4.5 5.2 5.5 7.5 10
板厚*0.85*2  1.7 2.04 2.72 3.4 3.91 4.42 5.1 5.44 7.65 10.2
ダ イ 幅  6 8 10 12 14 16 18 20 25 32
実績値/板厚 1.700 1.667 1.688 1.700 1.739 1.731 1.733 1.719 1.667 1.667
板厚/実績値  0.588 0.600 0.593 0.588 0.575 0.578 0.577 0.582 0.600 0.600
平均値 0.592 0.578 0.600
区  分 板厚<2.2 2.2<板厚<4.0 4.0<板厚<6.5
3区分以下では、実績値より増減幅が大きくなります。
近似移動量計算機 (試作)を簡素化するため板厚別のグループ化しました。
このため、板厚/実績値を物差しとしました。
グラフ化すると、左記のとおり3区分になりました。
なお、下記の実績値/板厚でも同様です。
5) 3次式の作成
最小2乗法の3次式の作成方法は、近似移動量の計算を参照してください。
ここでは、6tの近似式を使用し、算出数値を6で除算し必要な板厚数値を積算しグループで補正しています。
説明(近似式の最後の部分)→切片-0.0767688673290131)/6*B5)*1.02"       B5は板厚  1.02は補正
小数点2位を四捨五入しています。
数式は、下記マクロ作成の構文に表示しています。
板厚、角度の入力制限は各種計算機の例によります。
この
検証で使用する3次式は、事例であって、対外的に根拠はありません。

6) マクロの作成
セル位置で表します
セル位置 B C D
4 板 厚 角 度 伸び量
5 2.3 90 4.0
 ツールバーのツール(T)→マクロ→Visual Basic Editer(V)をクリックするとコードが表示されます。
 構 文
 Sub SelectTable0()
  Select Case Worksheets(1).Range("B5")
  Case Is < 2.2
  Range("D5").Value = "=((POWER((C5)/10,3)*0.0109604927861058+POWER((C5)/10,2)*-0.0562862434909915
 +POWER((C5)/10 ,1)*0.73687180514131-0.0767688673290131)/6*B5)*1.02"
  Case Is < 4
  Range("D5").Value = "=((POWER((C5)/10,3)*0.0109604927861058+POWER((C5)/10,2)*-0.0562862434909915
 +POWER((C5)/10 ,1)*0.73687180514131-0.0767688673290131)/6*B5)*1.038"
  Case Is < 6.5
  Range("D5").Value ="((POWER((C5)/10,3)*0.0109604927861058+POWER((C5)/10,2)*-0.0562862434909915
 +POWER((C5)/10,1 )*0.73687180514131-0.0767688673290131)/6*B5)*1.0015"
  End Select
  Range("B5").Select
 End Sub となります。
マクロの実行は、
伸び量変換ボタンで行います。
構文は、こだわりません。

7) 縮み量の計算
算出された伸び量-(TAN(曲げ角度/2/180*PI())*板厚)*2の式になります。
数値は、負数で表示されます

4 近似移動量計算機算出データの検証
1) (事例 6t )の近似移動量計算機 (試作)の角度別算出データ          
ダイ幅32 パンチは0.2R
角 度 10 20 30 40 50 60 70 80 90
伸び量 0.6 1.3 1.9 2.7 3.6 4.7 6.1 7.8 10.0
     上記データの90度以下に、対外的に実証できる根拠はありません。

2) 4−1)データのグラフ化と検証
縦軸が伸び量、横軸が曲げ角度になります。
検証  
現在、θ=90゚ 曲げの移動量についてデータは充足していますがθ<90゚ の曲げ角度の移動量は、このホームページで述べてきたとおりです。
移動量は、使用パンチの先端のR、法面の角度や長さ、ダイの法面の角度や幅などにより、曲げ角度が深くなるにしたがって内面の膨らみが大きくなり、パンチの法面を押し、結果外面の伸張に影響を与えると推測できます。
紹介している近似移動量の計算は、移動量を求める簡易な手法の1つを例示しているものです。
1t〜6tまで同じ近似式を使用している、補正で数値合わせをしている、小数点2位を四捨五入している、などの問題点をもっています。
ここでは、θ<90゚ の移動量を数学的にを予測し、90度の実績値に合わせた数式を組んでいます。
したがって、θ<90゚ の移動量は、正確な移動量の捕捉が要求されるため、この事例に使用する数値 証明手段を持たないので、確証と実証ができる根拠がありません。
また、板厚のばらつき、切断面の状態、角度の正確さ、測定器具の理解と測定技術、などを考慮する
必要と、各種計算機では正確な板厚入力が無い場合、寸法誤差を生じ、正確な数値が求められません。
さらに、正確な数値を求める場合は、板厚別に公差幅を持った近似式の使用が最善と思われます。
このため、曲げ仕様に応じた実作業の中で曲げ角度<90゚ の正確な角度別のデータを収集して数値、数式などの修正を待つ必要と、更なる違った観点からの移動量の思考も必要と思われます。
参考 
移動量、材料別移動量 図面と完成品の寸法検証方法 伸び量、縮み量の世界曲げデータ計算機 近似移動量の計算 など

3) ダイ幅 単位(1o)当たりの移動量(伸び量)の検証
板  厚 1 1.2 1.6 2 2.3 2.6 3 3.2 4.5 6
A  実績値 1.7 2 2.7 3.4 4 4.5 5.2 5.5 7.5 10
B  ダイ幅 6 8 10 12 14 16 18 20 25 32
A / B 0.283 0.250 0.270 0.283 0.286 0.281 0.289 0.275 0.300 0.313
C  板厚*6 6 7.2 9.6 12 13.8 15.6 18 19.2 27 36
B - C   0 0.8 0.4 0 0.2 0.4 0 0.8 -2 -4

左記のグラフは、ダイ幅 1o当たりの移動量を板厚別にグラフ化したものです。
1.2t、1.6t、2.6t、3.2t は、ダイのV幅が、板厚の6倍より広いので、単位当たりの伸び量が減少しています。
4.5t、6.0tの範囲では、ダイのV幅が、板厚の6倍より狭いので、単位当たりの伸び量が増加しています。
仮に3.2t以下の事例として、相当する板厚*6のV幅のダイで曲げる0.28〜0.29 の範囲にあると考えられます。

A実績値が、粗い数値であることを考慮する必要がありますが、
左記のグラフの傾向線からも上記の思考が成立すると思われます。
なお、4.5t 〜6.0t は板厚が下記のとおり3.2t 以下の傾向線より遊離しているので、別の考察が必要と思われます。


4) V幅と伸び量の関係の検証 (材料別移動量表
から抜粋)
 3.0 t  6.0 t
A  伸び量 5 5.2 5.4
B  V 幅 16 18 20
A / B 0.313 0.289 0.27
A  伸び量 9.5 10 10.6 11
B  V 幅 25 32 40 50
A / B 0.38 0.313 0.265 0.22

ブレーキで同じ板厚を曲げる場合、V幅が大きくなるほど、単位当たりの伸び量が小さくなります。
従って、展開長が長すぎる場合は、相当するV幅の狭い金型を選択し精度を稼ぎます。
事例 プレス仕様で展開した材料は、展開長が長いので、ブレーキで曲げる場合は、座屈に注意を要しますが通常より狭い金型を使用します。
5) 伸び量、縮み量の世界(参照)
6)曲げ作業の総括(出図)
作業現場で使う計算機(案)  0゚<θ≦90゚
展開*検査計算機  Tableは選択します
Table 板 厚 角 度 ノ ギス厚 伸び量 縮み量
No.2 4.5 60 3.5 3.52 -1.68
寸法置換計算機
試し曲げを依頼された時などに使用します。必要な曲げ寸法を計算します。
外 寸 法 突きあて寸法 高 さ ノギス寸法 内 寸 法
30.00 28.24 28.23 27.98 27.40
内 寸 法 突きあて寸法 高 さ ノギス寸法 外 寸 法
37.40 38.24 36.89 37.98 40.00

原点出し計算機 ***2V 標準仕様
ノギス計測寸法とは、突き当てからダイの端までの寸法です。
突きあて寸法の原点確認をする場合は、移動量を未入力にしてください。
正付け計算機 (オートフィルタ使用) 伸び量1.76=3.52/2 
V 幅 
曲げ寸(外寸)
伸び量
ブレーキ入力寸法
ノギス計測寸法
25 30 1.76 28.24 63.74
逆付け計算機  (オートフィルタ使用) 伸び量1.76=3.52/2
V 幅 
曲げ寸(外寸)
伸び量
ブレーキ入力寸法
ノギス計測寸法
25 40 1.76 38.24 52.74
標準仕様ダイ寸法表
V 幅 正付け 逆付け ダイ
25 35.5 14.5 50


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