三角関数の計算

     ここでは、曲げ作業の図面の解析に必要な関数を取り上げています。

☆直角三角形の辺の寸法や角度に関する関数について
  TAN  正接……TANθ=C/B  角度のタンジェントを返します C寸法=TANθ*B
  SIN  正弦……SINθ=C/A  角度のサインを返します   C寸法=SINθ*A
  COS  余弦……COSθ=B/A 角度のコサインを返します  B寸法=COSθ*A
  ASIN  アークサイン……値のアークサインを返します
  ACOS  アークコサイン……値のアークコサインを返します
  ATAN  アークタンジェント……値のアークタンジェントを返します
  DEGREES  ラジアン角度を度数法の角度に変換
  RADIANS  度数法の角度をラジアン角度に変換します
  SIN θ/180*PI()  θ 度のサインをかえします
 などが、あります。

☆はじめに………演算子 * 関数と重複する部分がありますが………
 通常、曲げ図面にはラジアン角表示は、ほとんどありません。
 また、図面で与えられた条件から、辺の寸法を求める場合や角度を求める場合があります。
 エクセルの角度計算は、ラジアン角度を単位とした計算式で計算します。     
 
ラジアン角度とは
 半径と円弧の長さが等しい時を1ラジアンとする角度の単位です。
 したがって、360゜=2π、180゜=π、 90゜=π/2、 45゜=π/4 となります。
 エクセルでは、
π→PI()  π/4=PI()/4 という表現で使用します.

辺の寸法と角度の計算
 角度から三角関数の値を求めるのが、
SIN,COS,TANになります。
   
SIN,COS,TANの入力数値は、ラジアンを単位とする数値または数式になります。
 三角関数の値から、角度を求めるのが、
ASIN,ACOS,ATANになります。
   
ASIN,ACOS,ATANの入力数値は、SIN,COS,TANの値を単位とする数値または数式になります。
 注意、
度数が度分秒で表示されている場合は、10進法(10進数)に置換する必要があります。


三角関数とラジアン関数 について
計算式と計算結果 (60゚のラジアン値とTAN値の関係)                 
参考図参照
出 力 値 計 算 式(数式) 計算結果(数値)  計 算 式(数式) 出 力 値
TAN値 TAN(60/180*PI()) → 1.732 1.732 ← TAN(1.0472) TAN値
TAN値 51.96/30 → 1.732 1.732 ← TAN(RADIANS(60)) TAN値
ラジアン値 ATAN(51.96/30) → 1.047 1.047 ← ATAN(1.732) ラジアン値
ラジアン値 60/180*PI() → 1.047 1.047 ← RADIANS(60) ラジアン値
角  度 1.047*180/PI() → 60 60 ← DEGREES(1.0472) 角  度
 計算結果の説明  (直角三角形では、SIN、COS、TANの値と三角比が同じ値になります)
1.732  (数式) のタンジェント値である 1.732 を返します
1.047  (数式) のラジアン値である 1.047 を返します
60   10進法の角度60を返します

三角関数とラジアン関数の関係
 SIN、COS、TANの入力は → ラジアンを単位とする数値または数式  のような関係があります
ASIN、ACOS、ATANの入力は →  SIN、COS、TANの値を単位とする数値または数式
このような関係から、ASIN、ACOS、ATANは、SIN、COS、TANのそれぞれの逆関数といわれています。
これらの 各数値 や 数式 を使用して各辺の寸法や、角度を計算します。
なお、ASIN、ACOS、ATANの値を度で表すには、*180/PI() または DEGREES 関数 を使用します。

10進法の角度から10進法の角度に変換します…B2入力した角度B3かえります
セル位置 B       説     明 (意味がありませんが、よく解ります)
2 60  0<数値<90角度を入力して実行してください事例は60゚の場合
3 60 ← 入力式はDEGREES(ATAN(TAN(B2/180*PI())))で入力値B2角度がかえります
4 1.047 ← 入力式はATAN(TAN(B2/180*PI()))でラジアンがかえります
5 1.732 ← 入力式はTAN(B2/180*PI())でTANがかえります
6 1.047 ← 入力式はB2/180*PI()でラジアンがかえります
B2セルに入力すると B2セルに入力した数値がかえります B2入力→B6→B5→B4→B3へ出力の経過

☆三角関数の計算  
辺の寸法を求める場合の計算事例
SIN,COS,TAN関数
  SINθ=C/A → C寸法=SINθ*A
  COSθ=B/A → B寸法=COSθ*A
  TANθ=C/B → C寸法=TANθ*B
があります

辺の寸法を求めるTAN(タンジェント)の計算例
 
角度からSIN,COS,TAN関数の値をもとめ、この値を使用して、辺の寸法を求めます
    SIN,COS,TANの入力数値は、ラジアンを単位とする数値または数式になります。
 
この事例は、一辺とその辺の成す角度から他辺の寸法を計算します。
エクセルに入力すると下記のとおり出力されます    
セル位置  B           説     明 
3 30  30゚の場合の例 B5参考 30/180*PI()*B辺  参考図 30゚参照
4 60  60の場合の例 B6参考 RADIANS(60))*C辺  参考図 60゚参照
5 30 ← 入力式はTAN(B3/180*PI())*51.96  C辺 の寸法30がかえります
6 51.96 ← 入力式はTAN(RADIANS(B4))*30  B辺 の寸法51.96がかえります
なお、COS ,SIN も同様に計算します

参考図の算出過程 (直角三角形図のB寸法=51.96を求める)                  参考図参照
入 力 式(PI(),RADIANS) 経 過     説       明
TAN(60/180*PI())*30 51.96 ← TANの値1.732*C辺の寸法30=51.96
TAN(60/180*PI()) 1.732 ← 60゚のTANの値
60/180*PI() 1.047 ← 60゚のラジアン値=1.047
TAN(RADIANS(60))*30 51.96 ← TANの値1.732*C辺の寸法30=51.96
TAN(RADIANS(60)) 1.732 ← 60゚のラジアン値=1.047をTANの値1.732に換算
(RADIANS(60)) 1.047 ← 60゚のラジアン値=1.047
 参考、計算式と計算結果(60度)のTANの事例を参考にして下さい。
PI()関数と RADIANS関数は TAN(…)中は、相違する関数を使用していますが、答えは同じです。

角度θを求めるには
角度θを求める関数には、ASIN(アークサイン)、ACOS(アークコサイン)、ATAN(アークタンジェント)があります。
ASIN  アークサイン……値のアークサインを返します
ACOS  アークコサイン……値のアークコサインを返します
ATAN  アークタンジェント……値のアークタンジェントを返します
角度60゚を求める場合のATAN(アークタンジェント)関数について  参考図参照
この場合、角度60゚が求める寸法で、B辺=51.96とC辺=30 が与えられた条件になります。
そこで、
ASIN,ACOS,ATANの入力数値は、それぞれSIN,COS,TANの値を単位とする数値または数式であるので
計 算 式(数式) 経 過     説     明
 TAN値 51.96/30 1.732 ←ここでは、TANの値(三角比)を単位とする数式を使用します
 ラジアン値 ATAN(51.96/30) 1.047 ←ラジアン角度を求めます
 角 度  ATAN(51.96/30)*180/PI() 60.00 ←ラジアン角度を10進法の角度に変換します

ここでは、ATAN(51.96/30)*180/PI( ) DEGREES(ATAN(51.96/30)) を入力した場合を例示します。
         ↓                    ↓ 
60.00 角度がかえります 60.00 角度がかえります
 ASIN、ACOS、ATANの値を度で表すには、* 180/PI() または DEGREES 関数を使います。
参 考

エクセルに入力すると下記のとおり角度30゚ が出力されます。
セル位置 B       説     明 
3 60 A辺の入力
4 51.96 B辺の入力
5 30 C辺の入力 
6 30 ATAN(B5//B4)*180/PI( )  ATAN (C/B)
7 30 ASIN(B5/B3)*180/PI()  ASIN (C/A)
8 30 ACOS(B4/B3)*180/PI()  ACOS (B/A)


☆その他の関数
ROUND関数

数値を四捨五入して指定された桁数にします。  
入 力 式 出 力    説    明
ROUND(45.678,0) 46 ←46←45.678小数点第 以下を四捨五入します 
 ほかに、ROUNDUP、ROUNDDOWNがあります。

倫理、検索/行列、統計関数の事例
IF
(COUNT(B16:E16)=2,CHOOSE(COUNT(B16)+COUNT(C16)*2+COUNT(D16)*3 ……
 I F 関数
 指定された条件が TRUE (真) のとき真の場合を返し、FALSE (偽) のとき偽の場合を返します。
 COUNT関数
 引数リストに含まれる数値の個数をかえします。
 引数リストの各項目には、数値、名前、配列、またはセル参照を指定できます。
 CHOOSE関数
 インデックスを使用して、引数リストから特定の数値、セル参照、名前、数式、関数、または文字列を一つ選択します。
 I F関数*COUNT関数*CHOOSE関数は直角三角形計算機 の作り方  を参考にしてください。

IFやANDなどの倫理関数の事例
 入力規則の入力の事例
 入力規則の入力は、入力間違いの誤作動を防止するために使用します。
 入力方法は、ツールバーの[データ(D)] [入力規則(L)]をクリックすると、[データの入力規則]が表j示されるので、
 [すべての値]の表示リストボタンをクリックして[ユーザー設定]を選択し、[数式(F)]に入力します。
I F 関数の事例 (円形曲げ計算機の内Rセルの入力規則)
 入力条件は内R>=板厚*5で、数式は、IF(内Rセル>板厚セル*5,内Rセル,"")になります。
 板厚の5倍以上は,内Rセルの”入力値”をかえします。条件外は”入力した数値は正しくありません”のダイアログが出ます。
セル位置       説     明
2 板 厚 内 R 出 力  板厚の5倍以上でセルの”入力値”がかえります
3 6 50 50 ← C3>=B3*5
注意、これは、セル入力で実際の出力表現はされません。

I F+AND 関数の事例 (角度入力セルの入力規則)   
 曲げ角度が 0゚<θ<90゚の場合(θが 0゚以上と90゚以下の2つ条件をクリアーしますので、AND関数とともに使用します。
 数式は、IF(AND(角度セル>0,角度セル<90),角度セル,"")になります。
セル位置 B
C
      説     明
2 角 度 出 力  0゚<角度<90゚の場合で角度セルの”入力値”がかえります
3 50 50 ← IF(AND(B3>0,B3<90),B3,"")
入力規則の場合、条件外の数値が、入力されると”入力した数値は正しくありません”のダイアログが出ます。
 またエラーメッセージで任意の表現→ここでは
(無効です)計算できない数字が入力されました”のダイアログが出ます。
注意、これは、セル入力で実際の入力規則の出力表現はされません。
   
IF関数のみでも支障ありませんが0゚以下の数値(-60 など負数)を入力した場合出力が負数となります。


エクセルシートから[ 挿入 ] 、[ 関数F ] 、[ 数学/三角 ] をクリックして求める関数を[OK]で入力画面、や、「数式」、
「数学・三角」から入力画面になりますので試してみましょう。(バージョンにより、ツールの説明が異なります。)

このホームページ、コレクト版の曲げ角度、移動量の概念外の入力は、論外で本意ではありません。
なお、使用する関数はこだわりません。 使いやすい、慣れた関数が最良です。
間違いのないように必要なものだけ編集したつもりですが、解かりにくい場合は、エクセルのそれぞれのヘルプで説明が
あるの 調べてください。  間違っていれば、修正してください。


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